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ARTとARTYの狭間

バブル経済全盛期の80年代、サブ・カルチャーが本家メイン・ストリームをひっくり返すくらいに勢力構図を拡大し、ニュー・アカデミズムなんてものが台頭し、文化や知性が最先端のファッションだった頃の話。

池袋の西武百貨店に隣接した店舗=ART VIVANT(アール・ヴィヴァン)がとっても刺激的だった。ARTの断片的要素がファッション化し、生活雑貨化するっていう提議を最初に行った店舗だと思う。今あるミュージアム・ショップのセレクト版って感じ?残念ながら、確か21世紀を待たずしてこのお店は無くなってしまって(同名の妙な展覧会団体があったりするが、全くこのお店とは無関係でしょう)、今ではかろうじて恵比寿駅の東側、明治通りの手前にある店舗=NADiff(ナディフ)にその面影を辿る事ができる。実はそのお店には当時のART VIVANTのスタッフも何名かいるので、遺伝子が確実受け継がれているっていうわけだ。
しかし、80年代、時代の環境が圧倒的に良かったんだよね。情報の送り手も受け手も感性のアンテナがヒリヒリだったんだな。そう言えばART VIVANTと同じくらいステキだった池袋の西武に隣接していた書店=リブロポート、それに斬新な提案が最高だった西武美術館、店舗や美術館の感性を立体化していたイベント・スペース=スタジオ200、さらには最高のミュージック・ストアであった六本木のWAVEなんかも、今では全〜〜部無くなってしまった。。。。いや、サブカルなんてさ、そもそも普通の生活の中ではムダなものをどうやって愛でるかっていう修行みたいなものなんで。そこんとこを正しく理解しないで、機能的にムダをひたすら排除していったら、もうそこには必要なものが何一つ残らなかったなんて皮肉な現実に出逢ったりするわけで。価値観の捉え様って難しいのですよ。

さてさて、ちょっと本題に触れようかな。私、当時その池袋の西武で企画の仕事をしていたんですが、新店企画の商品構成をする時に、ある商品群を「ARTY」って表現をしたことがあって。ARTY GOODSみたいな感じ。自分としてはART VIVANT的な感覚をよりポップにしたモノっていうつもりで使った表現だったんだけど、英語圏での生活が長かった同僚に「それは芸術を愚弄した侮蔑表現になるよ」って指摘され、なるほどなぁ、と。日本語英語の難しさをちょっとだけ実感。
でも今じゃあ世の中のARTに対する評価ポイントも価値観も大きく変わってきて、ポップ・アートの意味もさらに多様化してきている。キース・ヘリングに衝撃を受けていた80年代当時(そう言えば表参道と外苑前の間にあった彼のショップ=POP SHOP TOKYOは最高だったなぁ)とはもう様相がガラリと変わって。衝撃的に異端であった彼の作品ですら、もうアートの本道で評価され始めている現在。そして日本にも海外で大きな評価を得ているポップの芸術家達がいるが、彼等の作品、う〜〜ん、これってARTYっていう提議の逆説的な提案だよなぁ。まさにこれこそが今のサブカルなんだね。すなわちジャパニメーションや初音ミクとかに解りやすく変換されて行く。

しかして80年代の、そんなステキなサブカルの遺伝子が純然たる形でファッションに転化された作品にも出逢えたりするから、今って不思議だ。そこを通ってない世代が、さらに遡って行った源流(例えばバウハウスとかダダイズム)との出逢いで、違う形の進化を遂げて、当時的な感覚に辿り着いて、今の自分達世代の前に現れたりする。ダーウィンの理論同様、ファッション進化論的な感じだな、この驚きと歓びは。
ROCKER AND HOOKERで展開されているブランド=Archgram(アーキグラム)の新作がそう。80年代のサブカルの馥郁たる香りが嬉しい逸品達。アーキグラムっていうブランド名自体がそもそもその精神を語っているし。早く店頭に並ばないかな!!

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2015-07-29 | Posted in Blog | Comments Closed